屋外ならラテックスがベスト?タペストリー印刷技術の知識と選択
屋外ならラテックスがベスト?タペストリー印刷技術の知識と選択
多種多様なタペストリー印刷技術の特徴が分かりますか?
紙や布に直接的にプリントしたり、途中に転写の工程があったり、化学反応を利用して染色したり。
印刷技術と一口にいっても多種多様ですから、一体どの技術がどの印刷物に適しているのか、またどんなタイプのタペストリーに向いているのかを判断するのは、初心者や素人にはちょっと難易度が高いですよね。しかし自分のニーズを満たしてくれる印刷技術を正しく選択することができれば、自他ともに満足のいく素敵なタペストリーを作成することができますから、各特徴を勉強しておきましょう。
>>タペストリーの作成などでお困りならイイチラシへお任せ!無料相談はこちらから!
インクジェット印刷
インクジェット印刷は、ノズルから出る微滴化インクを、紙や布に吹き付けて点描の要領でプリントしていきます。媒体に直接プリントする技法のため、ダイレクトプリントとも呼ばれています。
インクジェットは直接単色からフルカラーまでプリントすることができるので、色数の膨大な写真や複雑な絵柄でも鮮明に再現することができます。
インクジェットは版板の製作が不要なので、小ロッド生産に向いています。
以上から、1~2枚など少数の注文のことが多く、精細で鮮明な画像が求められるタペストリーに適しています。ポリエステル系に木綿にシルクなど、幅広い生地にプリントできる特徴も、さまざまな素材が用いられるタペストリーに向いていると言えます。
昇華転写
昇華転写は、インクジェットプリンターで昇華型インク(分散染料)を吹き付ける印刷技術です。
インクジェットプリンターを用いる部分はインクジェット印刷と共通していますが、インクジェット印刷のように直接媒体にプリントしないところが異なっています。
昇華転写はまず、転写紙にインクを吹き付けてプリントします。
次に転写紙と生地を重ね合わせて、ヒートプレス機で高熱と圧力をかけて、インクを転写させます。
インクジェットと同じく版板を作る必要がないため、希望があれば両面印刷することもできます。
仕上がりはとても色鮮やかなので、写真入りなど画像的にクオリティの高いタペストリーを作りたいときに重宝します。ただし印刷可能な生地が、ポリエステルなど化学繊維に限られている点には注意。
反応染め
反応染めは本染めの一種で、反応性染料を使って綿生地を染め上げる伝統的な技法です。
液体染料とアルカリ性の反応剤からなる反応性染料を、綿生地に塗布すると、綿の主成分であるセルロース繊維が化学反応を起こして色が固着します。洗濯しても色落ちしにくい堅牢さが魅力です。
反応染めは綿の質感をそのままに染色できるので、特に和風柄のタペストリーに適しています。
高級感と趣を演出できるので、ラグジュアリーな空間、たとえば老舗旅館や高級和食処に飾るタペストリーにぴったりでしょう。タペストリーのほか、のれんや袢纏にも、この染め技術が常用されています。
反応染めは、染色した後に「蒸し」と「洗い」の作業を何度か繰り返して完成させます。
工程が多く手間がかかる技術なので、インクジェットなど他の印刷技術と比べると印刷代(染色代)が高くつきます。
ラテックス印刷
ラテックスインクという、自然環境に優しい水性ベースのインクを使った、比較的新しい印刷技術です。
紙、ポリエステル系の生地、木綿、フィルムなど、幅広い媒体にフルカラープリントできるのが最大の特長です。発色が良く、薄手のポリエステル生地ならわずかですが裏抜けもします。
ラテックスインクは嫌な刺激臭がしません。吸い込むと健康を害するような成分も全く含まれていないので、飲食店や医療施設などに設置する印刷物にも安心して使用することができます。
水性インクながら耐候性に優れているため、長く外気にさらされても色褪せが起こりにくいです。
以上から屋内用のタペストリーにはもちろんのこと、屋外用のタペストリーにもお勧めです。
ラテックス印刷物の寿命は、屋外展示の場合はラミネートフィルムのコーティング有で約5年、コーティング無で約3年と言われています。屋内展示の場合はコーティング有で約10年、コーティング無で約5年と言われています。